協働ロボットの要件④

こんにちは、トロボです。

前回の記事では、ロボットを導入するユーザー(事業者)の立場から、産業用ロボット・協働ロボットに関する法律と、それに違反した際の罰則について検討してみました。今回はメーカーとして何が必要かを考えてみたいと思います。

これまでも述べたように、SIerやエンドユーザーに協働ロボットを使ってもらうためには、ロボットをISO 10218-1に適合させることが必要です。そうでないロボットをSIerやユーザーが協働ロボットとして使用した場合、「事業者の講ずべき措置等」を規定した安衛法第二十条に抵触する可能性があると考えます。

では、ISO以外では、メーカーとして何を気にする必要があるでしょうか?

まず気になるのは、製造物責任法(PL法)です。PL法では、製品に欠陥が認められ、それによって使用者が損害を被った場合、製造者等にその損害を賠償する責任があることを明確にしています。ここで「欠陥」とは、以下のように規定されています。

製造物責任法 第二条2項

この法律において「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう。

欠陥は、一般に以下に分類されるようです(ここを参照)。
・設計上の欠陥(そもそもの設計上の欠陥)
・製造上の欠陥(製造の際に生じた欠陥)
・指示・警告上の欠陥(表示やマークなどの注意喚起の不備)

製品の欠陥による損害賠償のリスクを抑えるためにリスクアセスメントは必要であり、経産省が作成したハンドブックでもそれを勧めています。リスクアセスメントに法的義務はありませんが、事故が起こった際は、民事上の損害賠償責任や消費生活用製品安全法に基づいた回収命令が下されることあるとのことです(P.2)。協働ロボットは、人間の身近で動作する以上、仮に80W以下のロボットでもリスクアセスメントは必須であると言えます(そうであるなら、それ自体リスクアセスメントを求めるISO 10218-1への適合を目指したほうがベターかもしれません)。

その他、電気用品安全法も気になります。電気用品安全法は、規制対象製品(その中にさらに特定電気用品と特定以外の電気用品がある)に対して適用されるとのことです。規制対象製品は以下のリストに列挙されていますが、産業用ロボットは含まれていないようです。

http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/subject01.html
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/subject02.html

・・・

これまで4回に渡って協働ロボットの要件について考えてきました。80W規制などは日本独自の基準ですが、近いうちに撤廃される可能性が高く、今後はISOが基準になっていくと思われます。また、「協働」という考え方により、リスクアセスメントが益々重要になってきています。ロボットメーカーとして、これらは事業に直結するため、引き続き今後の動向に注意を払っていきたいと思います。

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