ロボット学会に参加しました

こんにちは、トロボです。

9月12~14日に東洋大学川越キャンパスにてロボット学会の学術講演会が開催され、弊社も展示企業として参加しました。

他の展示企業にもいくつか気になる製品がありましたので、ご紹介します。

まず、お隣のブースでは、イグス株式会社さんが樹脂製の波動歯車とそれを使ったロボットキットを展示していました。

低価格で、樹脂製のため軽量、バックラッシュのない波動歯車なので、機械学習などの研究にちょっとしたロボットを組むのによいかもしれません。

こちらは、マイクロテック・ラボラトリーさんが出展されていたDDモータです。

ロボットへの適用を志向した小型のDDモータで、回転数よりトルクを重視した設計になっており、ケーブル取り回しの利便性のため中空部分の系もなるべく大きく取っているとのことです。

DDモータはフルバックドライブのため、それを用いて多軸ロボットを作ると、人間同様に力を抜いた時(電源を切った時)に落下するロボットが作れます。これは危険な感じもしますが、一方で、作業中にぶつかったときなど即座に力を逃がすことなどができるようになります。制御に関しても、リンクのダイナミクス(質量や慣性モーメント)を考慮しなければならないため、非常に難しくなりますが、研究としてはやりがいがあると思います。いずれにせよ、DDモータのロボットへの応用は可能性の大きいテーマと言えます。

センサ系では、タッチエンスさんが6軸の小型触覚センサを出していました。開発試作とのことですが、10Nのレンジで0.05Nの分解能で6軸の力覚検知が可能とのことです。ロボットハンドなどに組み込んで面白い研究ができそうです。

ハンド用の触覚センサと言えば、山口明彦先生によるフィンガービジョンプロジェクトの展示がありました。

グリッパの把持部に、黒いドットが描かれた透明なシリコンを用い、把持の際のドットのパターン変化をカメラで認識することで把持力や把持状態を計測するというものです。この方法なら微小な把持抗力も検知できますので、上の写真のような紙の箱も潰さずに持ち上げることができるわけです。下の写真は、シリコン把持部を指で押さえつけた時の様子ですが、シリコン上の黒い点の動きで把持力を計測し、赤い線が長いほど力がかかっていることを示しています。

本プロジェクトは、学術系のクラウドファンディングで出資を募っているようですので、もしよろしければ、ご協力をお願いします。

ロボット関連で言えば、おなじみ、トヨタさんのHSRや、THKさんのSEED-Noidなども出ていました。

 

リコーさんも社内向けとして多軸ロボットの取り組みを開始したようです。関節がモジュール化されており、様々なタイプのロボット(自動機)を作れることが利点とのことでした。

近藤科学さんは6足のロボットを出していました。18軸のロボットで、制御基板とモーション作成ソフトが付いて約10万円という、非常にお求めやすい価格設定になっています。

AI系としては、ベンチャー企業であるエイシングさんが、マイコン上でオンライン学習が可能な独自アルゴリズム「Deep Binary Tree」の実演(Raspberry Pi上でのピンポンゲームの強化学習)を行っていました。近年盛んな深層学習と毛色が違うAIをもって「世界を変える」という熱意を感じました。

大学の教室を利用した展示だったためか、来場者の数は多くはなかったですが、楽しい企業展示でした。来年は中部大学での開催だそうです。

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